「胡蝶蘭の育成期に控えめな量で」が正しい肥料の活用法

胡蝶蘭といえば法人ギフトとしても使われる数ある花の中でも高価なことで知られています。芸能人のお祝い事に添えられている華麗な白い花を咲かせた胡蝶蘭の姿が印象に残っている人も多いことでしょう。

そんな胡蝶蘭を大枚はたいて購入したり、プレゼントされたりすれば、大事に育てよう、見事な花を咲かせようと思うのが人情です。でも、胡蝶蘭は貴重な品種だけにあまり育て方はポピュラーではありません。

そもそも、胡蝶蘭はインドネシアやフィリピンといったアジアの熱帯地域に自生している花なので、元来が丈夫で肥料など与えなくてもすくすく育つと考えている人もいそうです。しかし、熱帯と日本とは気候や湿度など環境がまったく違います。その中で、健康に美しい花をつけさせようとすれば肥料は必須アイテムのひとつとなってきます。

ただし、やみくもに与えるのではなく、ピンポイントでもっとも効果的な時期に肥料を与える必要があります。この時期を間違ってしまうと、水のやりすぎと同様の弊害が起きて根っこを腐らせてしまう原因となります。

そこで、肥料を与えるタイミングとしてもっとも適切といわれているのが、春から秋にかけてで、この時期は胡蝶蘭の育成時期と呼ばれています。人間で言えば少年の食べ盛りのころのようなもので、与えた肥料がどんどん吸収されていきます。

逆に、肥料を与えてはいけない季節があります。それは冬の時期です。もともと熱帯が原産地の花なので寒さに強くありません。この季節は株が弱っています、とくに気温が15度を下回るようなときに肥料を与えてしまうと、根にダメージを与えてしまい最悪、枯れる原因を作ることになります。

一方で、熱帯の花といっても35度を超えるような猛暑が続く夏も肥料を与える季節ではありません。寒くても熱くても、肥料が根っこを弱らせてしまう可能性があります。胡蝶蘭はとてもデリケートな生き物であることを忘れないようにしましょう。

また、春から秋にかけてならいつでもokかというとそうでもありません。この期間に花が開花していたら、その美しい姿を眺めるだけで、下手に手を出すべきではありません。もっと開花を促進させようと肥料を与えてしまうと、せっかくの花がポロンと落ちてしまうケースが見られます。せっかく咲いた花を大事にするには、静観も必要なことです。

もうひとつ、肥料を与えるときに見逃していけないポイントがあります。それは根の発育状態です。もし、若い根がすくすくと順調に育っているようなら肥料を与えて大丈夫です。けれども、育成期にもかかわらず根が顔を出していないようなら、根が育つまで辛抱です。肥料をきちんと吸収する根が育つまで待つことを心がけましょう。

次は胡蝶蘭に与える肥料についてですが、大きく分けて2種類の肥料タイプがあります。ひとつは有機質系で、もうひとつが無機質系です。

これにはそれぞれに特徴があります。有機質系で一番知られているのは油粕ですが、粘着性があってゆっくりと流れ出るために、根っこに与える弊害は少なく、持続性に優れています。ただかなりの悪臭なので、部屋で使うことは避けたほうがいいでしょう。一方の無機質系は肥料成分を調合したもので、効果が出るまでの時間が有機質に比べかなり早いのですが、効果が強い分、量が多すぎると根を痛める原因となります。園芸関係のショップなどでは、液体肥料と固体肥料としていろいろな種類が販売されているので、よく用途を確認して使うのがよいでしょう。

それでは実践編です。春から秋にかけての育成期が始まって胡蝶蘭に肥料をやるときの代表的な手法です。肥料には液体タイプと固形タイプの2種類があると説明しましたが、その簡便さから液体肥料だけで済ませる人がいます。しかし、ベストな手法を考えるなら、やはり液体タイプと固体タイプの併用をお勧めします。まず、効果がゆっくりあらわれる緩効性の固体肥料を、粒状にして鉢のふちに沿って置き肥します。この肥料は持続性があるので、ゆっくりとじわじわと効果を表すタイプです。そして、即効性のある液状の肥料は水がわりです。といっても、毎日与えてしまっては根っこを腐らせてしまいます。だいたい10日~2週間に1度のペースで十分です。また、濃度にも気をつけましょう。即効性だからと濃い液では胡蝶蘭を痛めます。水で100倍以上に薄めます。薄めすぎかなと感じるぐらいで十分です。

最後に肥料を与える際に一番大事な注意点です。元来、胡蝶蘭は濃度の高い肥料との相性がよくありません。濃すぎる肥料は、根腐れを起こしたり、茎の異常な成長を促進するなど、いいことはありません。

肥料を使うときには「ほどほど、抑えめ、少なめ」を絶えず心がけるようにしてください。肥料とは人間でたとえるなら栄養ドリンクのようなもので、病気を治す薬ではありません。なので、胡蝶蘭に害虫の被害があったとか菌の影響でカビが生えたからといって、肥料を多用してもけっしていい結果は得られません。肥料については、慌てずゆっくりと時期とタイミングと、抑え目の量を適切に使うことを心がけて、素晴らしい胡蝶蘭の花を咲かせてください。

なお、胡蝶蘭ギフトの贈り方を見れば胡蝶蘭の贈り方が詳しく解説されています。

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